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つる草が壁一面にはびこっている

plaster.exblog.jp
だいたいにおいて函館のシャシンです。
by plaster_er
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■ 氷
2006年 12月 24日 |


外窓の水切りにできた小さなツララを ポキ と折り,マクロレンズで撮ってみた。
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ワタシのライフログのところで,「氷の科学」という本を紹介していますが,この本は,北大の雪氷学の初学者用のテキストとして執筆されたものらしくて,半分くらいしか分かりませんが,なかなか面白い本です(ワタシが読んだのは旧版)。
当時,雪の「焼結」による建物の被害を復旧するために,その予算を東京のカイシャから取る際に,この本でにわか武装して挑んだものでした。

それはいいとして,この本に「雪は暑がりだ」なんて章があるのです。
鉄が溶けるのは1535度。
例えば,鉄が1500度に熱せられているとしたら,当然,もうすぐじゅるじゅると溶けそうなほどに不安定な状態です。
雪や氷が解けるのは0度。
例えば,今日の気温が-5度だとしたら,鉄と同じで,(ニンゲンにとっては極寒でも,氷にとっては)すぐにでも溶けそうなほどの高温である,ということになります。通常冬期のマイナス気温の範囲では,氷は溶けるか溶けないかの不安定な状態であり,そういう状況下にある氷というものには色々と面白い性質があるんだぜ,なんていうことが書いてあるのです。

氷_a0062697_21103453.jpgあと,氷の上に重りをつるした糸をかけておくと,糸は氷を切断しつつ下に落ちるけど,結局氷は切れていないという現象(=復氷)についての(非通俗的な)説明なんかも書いてある。

氷_a0062697_21113157.jpg
氷_a0062697_21114395.jpg
マクロレンズのピント範囲の狭さ故に,凸凹の一部分のみにピントが合い,眼では見られないような質感が表現されます。
部屋の中に入れて撮ると,当然溶け始めるので,ぬめった感じでも撮れますね。氷の中に閉じ込められた気泡や,それが浮上する途中にできた「空気の道」が溶けて,変な形になりつつ溶けていくのですね。
その,しゃりっと溶けつつある様子を撮ると,面白く写ります。