Nikon D50 / AF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G / Photo by TUMA / Capture NX 1.3.5
songs
この車ではずいぶん浜に行ったが、ジブンの経験で、一番大変だったのは静内と三石の間にある浜だった。
静内というのは、日高地方の真ん中辺りで、けっこう遠いところだ。
そもそも、砂浜に車を乗り入れるという趣味はないし、そういうことは浜辺の自然破壊になるとも思うので、悪しきことだとさえ思っている。しかしその時は、惹かれるように行ってしまった。
浜辺の侵食を防ぐために設置されたと見られる波消ブロックの列がある。古いものであるようで、すでに潮流の流れが変わったのか、浜は侵食されているどころか逆にびっしりと砂が堆積して陸地化している。それに応じて漁師の作業小屋がぽつぽつと建てられていったようで、車の通った砂の道らしきものもできつつある。崖下にある浜ということで、隔絶感があり、夕方遅くの不思議な光も相まって、その浜辺には独特の「ワールド」があるように感じられた。
で、行ってみて、砂に埋まった、ということです。
出られない、ああ出られない。無謀にも砂浜に出て埋まってるなんて、我ながら恥ずかしく、だんだんと暗くなり始めた時間ということもあり、嫌でも現実に戻された。シャシンは、ツマが撮ったものです。やれやれ。
崖上の国道までは距離があるが、幸い、そこを走っていた2tトラックが気づいてくれて、浜まで降りてきてくれた。よく見えたなと思う。乗っていたのはおじさんで、この浜辺の漁師ではないようだけど「見えたから」とここまで降りてきてくれたのだ。親切にも、こんな時間にあんな場所で何をやっているのかなと心配(不審?)してくれるなんて、本当にありがたい。
救出作業は上手くいかず、道具といってもなにもない。ただ、荷台にふつーの麻縄があるくらい。なんとかフロント周りにいっぱいくくりつけて引っ張り、脱出できた。助かりました、ありがとうこざいます、よかったよかった。
・・・でも、ちょっとだけ続きがある。
おじさんが右フロントのアッパーアームに麻縄を1本架けていたのだ。その時(むむっ)と小さな疑念がわいたことは確かだが、さして深刻に考えるでもなく、(たぶん大丈夫だべ)と誤魔化した。そもそも、こんな暗い中、苦境を救ってもらうという状況なので、頭は働かない。
おじさんと別れて夜道をしばらく走ると、少しずつおかしくなってくる。そのうち、なんかおかしい、という微妙なものではなく、明らかにおかしい。やはり、アームがひん曲ってしまったに違いない。
長く、暗い日高路。強烈な音と振動ともに、なんとか札幌まで帰ってきたが、あんなに長く緊張を強いられた運転はなかった。
後日、なんかフロントがガタガタして・・・と遠慮がちに言うと、ディーラーはすぐに修理してくれた。サスペンションアームは、重要部品だからなんだろうけど・・・原因はよく分からなかったに違いない。
おじさん、少しも恨んでません、ありがとうございました。ディーラー、申し訳ない。
右のフロント辺りに目をやると、この時のことが思い出されてきます。
それと、未だにフロント牽引フックの場所をすぐに見つけられなかったことが、チクっと痛いような気持ちとともに思い出されます。